マホ毛雑記帳

雑記帳に毛が生えたもの

魔法使いのハーブティー:不遇系JKの居場所

魔法使いのハーブティー 著者:有間カオル

 

私は東京で優々優雅に1Kで一人暮らしなのですが、

実家が中部地方の田舎にあります。

年末年始などは帰省するわけで、

そのたびに「うおー帰ってきたー」とか面白くもなんともない普通の感想を抱くわけですが、

とはいえ、しかし、

「うおー帰ってきた―」と思えるのは帰る場所があるからで、

東京の1Kと田舎の実家、

私には二つの居場所があるんだなぁと実感するのです。

 

 心温まるハーブティー

『魔法使いのハーブティー』の主人公は自分の居場所がありません。

親を亡くして以降、

いらない子扱いされて親戚中をたらいまわしにされる主人公は、

夏休み、

あったことも無い叔父の家に預けられます。

その叔父は、

洋風の可愛いカフェでハーブティーを淹れる自称魔法使いでした。

 

そんな叔父と、カフェでお手伝いをする主人公。

二人の周りで起こる小さな事件が纏まったお話です。

 

とりあえず、

表紙の主人公がべらぼうに可愛いです。

 それでも主人子は、

「自分はいらない子である」

ということをいつも心の底に置いています。

いや、それは中二病的なアレじゃなくって、

親戚中から邪魔者扱いされたらそりゃそうなります。

そういう心理描写があるたびに私の心は削られるのです。

 

自称魔法使いとかいう胡散臭い叔父。

吐き気がするほど良い人すぎます

邪魔者扱いされる主人公に対して、

叔父は優しく包み込むよう接してくれます。

叔父の言葉でどれだけ主人公と私が救われたでしょうか。

 

二人のほかにも多くの人物が登場します。

少し癖があったり、鼻につくような性格の持ち主もおりますが……

基本的にみんな良い人です。

 

ただし、最後の方に出てくる一人だけはクソッタレです。

あのどうしようもないクソッタレを除けば

みんな良い人です。

 

良い人が織りなす物語なので、

そりゃあもう心が癒されます。 

 

また、

このお話にはところどころにハーブの知識が散りばめられています。

ハーブティーが飲みたくなること間違いなし。

 

心温まる『魔法使いのハーブティー』をどうぞご賞味ください。